ぼりの板前時代

「大切なのは人」着物着付け師が見る飲食の世界

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こんにちは、リエと申します。私は着物の着付け師をするかたわら、大阪「北新地」で和装ウェイトレスをしています。

今回、飲食の世界に20年以上携わってきた今、現場をずっと近くで見てきた者として和食の世界について思うことを伝えさせて頂きます。

飲食の世界に感じること

私は現在、着物の着付け師の仕事が週末に固まることが多いので、和食店にて着物を着て接客の現場に携わっています。

これまでも18歳の頃からカフェやイタリアン、和菓子の製造など、ずっと飲食に携わってきました。

人生において大切な「気づき」や「経験」をさせて頂けた大好きな仕事です。

でも、一般的に見て感じるのは、飲食の世界は基本的に飛び込むのはそんなに難しくないけど、続けるのが大変ということです。

それは単純に労働基準法では解決しきれないような営業時間から逆算したら、仕入れから仕込みまで考えると15時間くらい働くことが結構当たり前になっていたり、その風潮がずっと残り続けているから。

その流れ自体を変えて行くのはかなり難しいことだっていうのはわかっています。

仕事を任せる

私が以前勤めていた和食のお店で、仕事を抱え込んだ上の方が体調を崩して現場に立てなくなったことがあったんです。

2番手と呼ばれる方が現場を見ることになったのですが、上の方からそれまでに任されていた仕事が少な過ぎて、現場が1.2ヶ月混乱したんです。

理由は2番の方に仕事を「ちゃんと任せられる」環境をうまく作ることができていなかったからです。

自分が抜けても大丈夫な環境を作ること

昔ながらの板前さんとかに感じるのですが、「教えること」に慣れていない方が多いように感じます。

おそらく昔の和食の現場が「見て盗め」というような風潮が強かったこともあるとは思いますが、現代の若手にそれが通じなくなってきています。

変な言い方かもしれませんが「いちいち」ちゃんと教えることも必要なのではないかと思います。

それが結果的にお店のためにもなるし、自分が退いても大丈夫な環境を作ることはとても重要なことです。

教える環境の大切さ

人に教えることは向き不向きはあれど、積極的に取り組むことはできます。

何の意味もなく若手に雑用を押し付けるではなく、「与える仕事自体が部下の成長につながることか」はしっかりと上の人が責任を持って考えてあげること。

ただ単に若手に仕事を押し付けている人と、真摯に向き合って部下を育てようとしている人は、同じ仕事を与えていてもこっちから見ていてもわかります。

これは上の人も若手の仕事を手伝ってあげろという話ではありません。

教える人はしっかりと面倒を見て、下を育てることで自分があえて動かないことも、育てることが目的にあるのであれば必要だってこと。

今はまだ大丈夫かもしれないけど、長年やってきたからといって「おえらいさん」でいられるのは一般企業でも飲食でも通じなくなってきています。

「大切なのは人」

私はこれまで多くの飲食店で働いて着ましたが、その中で「いいお店だな」って思えたお店には共通点があるんです。

それは「従業員がおやすみの日に使いたくなるお店」です。

スーパーの従業員の方とかでも同じ何ですけど、自分の働いているお店を自分で利用したくなるようなお店だったら人にも勧められますよね。

私が飲食店を選ぶときはもちろん、「美味しい」ことはとても大切だと思っています。

そして、その上でそのお店の「人」に会いに行っています。

だから、料理人の方は料理だけを大切にするのではなく、一人の人間として従業員や部下からも見られていることはもっと意識することも同じくらい大切だと思うんです。

まとめ

会社員にしても、飲食の仕事にしても、最終的には、大切なのは「人」です。

出会う方の全ての方が素晴らしいとは言えないけれど、私をこの年まで、培ってきた経験や、気づきは、飲食業から教わってきた事ばかりです。

ただ、世間では時間給で換算するので、かけた時間よりも、得る時間が少ないので、「キツイ仕事」だと言われるのでしょう。

もう少ししたら、そんなことも言ってられないくらいに、何の意味も持たないような理不尽な業務内容も人も淘汰されていくと思うのです。

洗練されていくと思うのです。

飲食業に真摯に向き合う人も、沢山います。

これからの新しい時代を切り開く若手の方たちがもっと挑戦しやすい環境になって、少しでも飲食にかかわり、楽しいと思ってもらえたら幸いです。

着物着付師、和装ウェイトレス リエ

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