ぼりの板前時代

【飲食業界】料理人(板前)あるある30個出してまとめてみた

こんにちは、板前修業6年の後にフリーの出張料理人として独立しました、ぼりです。

情報発信をする人がめっぽう少ない為に、世界観が謎に包まれていることの多い飲食業界。

 

まったく違う道を辿ってきた料理人3人で集まって話した時に、驚くほど共通点が多かったのでまとめてみました。

 

あまりに専門的なものだと面白くないので、一般の方もイメージできそうなものだけを集めてあります。

「へぇ〜」って程度の軽い気持ちでご覧ください。

飲食業界あるある30選

ジャンルも分けてみました。これを読んだあなたはもう飲食業界について多少知った顔をして頂いて問題ないと思います。

それではいってみましょう!

「礼儀」「言葉遣い」編

まずは口うるさそうな「礼儀、言葉遣いについて」。

「明日の出勤は9時」って言われても9時に行ったら完全に遅刻

9時には先輩が段取りよく仕事をはじめられるように、全ての段取りが終わっていないといけない。(場合によっては2時間以上かかるときもある)

※著者、この言葉を鵜呑みにしたことで苦い経験有

挨拶は夜でも「おはようございます」

何時になっても出勤したときの挨拶は「おはようございます」一択。

「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」の挨拶の中で「おはよう」だけが唯一「ございます」の敬語をつけられるから。

また、夕方の出勤の人など出勤時間のばらつきがある中で微妙な時間で使い分けがややこしいからという説もある。

1番怖いのは仲居さんの偉い人

社長や女将さん、下手すれば調理場の料理長より「仲居さんの中で1番偉い人(役職関係なし)」の方が発言力や訴求力を持っているので細心の注意が必要(嫌われたら終わり)

料理長がごはん食べるまでは「待て」

熱々でおいしそうなまかないができても、料理長が仕事の手を止めない限りは絶対に食べちゃダメ。仮に料理長本人に「先に食べてていいよ〜」って言われても絶対ダメ。

*著者、この罠にひっかかって死ぬほど怒られたこと有

自炊率が極端に低い

家に冷蔵庫すらない人いる。(あるけど電源入れてないって人とかいた)

別に料理が嫌いとかではなく、まかないで食事を済ませてくることがほとんどなので、お休みの日の為だけにわざわざ作らないだけのひとが多い。

調理場編

本題の「調理場」です。味いちもんめの世界観とは違います。

新人さんが「まかない」を作ると一般の人より下手

これはけっこう意外なんじゃないかなって思うんですけど、仕事の合間を見て調理場全員分のまかないを作るのは正直大変です。

2~3人前なら上手に作れても、10人前一気に作って大鍋で味付けしてたりすると、新人さんはかなりの高確率で失敗します。

飯食べるの爆速

「まかないも仕事のうち」って考え方なので、基本5分以内に食べる。
*アツアツのあんかけとかだとまじできつい

イカゲソの天ぷらは恐怖

イカゲソについてる吸盤には水分が含まれているので、そのまま天ぷらにしたら途中から大爆発を何度も起こす。
※10秒ほど茹でてからザルにあげて乾燥させておくと割と爆発しなくなるが、確実ではない

でも熱いって言ったら怒られる

天ぷらで油がハネても顔色変えちゃいけない。リアクションもNG。

「あつっ!」って言ったら「あつくないっ!!」って怒られたりする。いや熱いから

プライベート編

つづいてプラーベートにも踏み込んでいきたいと思います。普段は厨房でチャキチャキ動いている料理人の方々の休日の生態はどうなっているのでしょうか。

博打

パチンコ、スロット、競馬、ゲーセン、率の高さがやばい。休み明けに北斗の話とか聞かされる。(義務)

服装

基本的にダサい人が多い。服装を気にしないひとが多い。

一回「オシャレに気使ってるくらいなら仕事覚えろ」って言われたことあります。ふざけるな

クラブ=でぃすこ

クラブの事を未だに「でぃすこの事だろ?」って言ってる人いる。(間違ってはいない)

髪型

基本的に野球部並みに厳しい(和食だけかも)。どうしても髪型オシャレにしたい若者は調理帽かぶったら長い髪が隠れるように2ブロック(もしくはソフモヒ)率が高い。
※著者現在進行形

絵に描いたような角刈りの人がたまにいる

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ふだんは町中どこを見てもそんな人は見かけないのですが、とんでもない角刈りの人とかたまにいます。町中で立派な角刈りを見つけたらほぼ「板前」だと思って間違いないでしょう。粋ですね。

通勤の服がナイロンパーカーの人多い

そろそろ偏見入ってきた気がしますが、実際に多いです。

プライベートでも飯食うの爆速

飯食うの早すぎて他の人に「食べるの遅くてごめんね」とか言わせてしまう。

(オート機能なので気にしてゆっくり食べてもみんなよりはやく食べ終わる)

TV番組事情

仕事終わりが遅いので月9ドラマの話とかについていけなくてくやしい

料理人同士だと飲みに行くのは中華

料理人と飲みにいくと、勉強のために高いところに行くのはたまにしかなくて、ほとんどが中華。安くて量が多くて味が濃いので酒が進む為。

外界での接触は控えめ

職場でめっちゃ偉そうな怖い人が、飲食以外の人と飲み会行ったらめっちゃ静か

恋愛編

料理人の恋愛事情はどうなっているのでしょうか?

恋人が料理人ってひと、たまにいるけどどこで出会ったのか気になります。(教えてください)

職場恋愛経験率がえげつない(筆者経験済)

これはかなり多いんじゃないかと思います。

労働時間長いし、休みも少なくてまちまちですし、どうしても狭いコミュニティの中で世界が成り立ってしまいます。

職場内で結婚するときはどっちか、もしくは両方別の職場にいく

職場を辞めてずいぶん経ってから、久しぶりに会った先輩が職場のホールスタッフと結婚していた率はなかなか高めです。

道具編

料理人の命と言われる包丁や、衛生的なことも含めて、普段どんなことを思っているのでしょうか。

なぜか1番最初にほしくなる道具はまな箸

created by Rinker
イービーエム(EBM)

盛り付けに使うコレです。なぜかとんでもなくかっこよく見えます。

包丁に名前入れてるとイジられる

「大堀っ!!おぉ〜!かぁっこいぃ〜っ!!(笑)」とかっていじられます。体験済み。

ある一定以上の立場に行くと急に何も言われなくなります。心の中で思ってるのかな。

経営(数字)に笑えるほど弱い

「FL率ってなに?」の人がほとんど。食材原価は3割までって認識。
*著者も例外なくこれだった。現在になって必死で勉強中
FL(food laber)率=食材費と人件費を表す指標。50〜55%に納めるのが一般的

まかないは基本1食100円〜150円

この記事で期待してたのってこーゆーことですかね?変なのばっかでごめんなさい。

まかないは基本日中と夜の2食。合わせて1人前300円くらいに収めなければいけない。

食材原価率があがってきたりしたら一番最初に「まかない」が目をつけられるので油断してはいけない。

その他

対談の中で出てきたどーでもいいことを書いていきます。

「味いちもんめ」は必ず通る道

おじさんとかでもかなりの高確率で読んでます。味いちもんめはどちらかというと料理人の世界観を表しているもので、レシピに関してはクッキングパパの方が強いです。

中居くん(SMAP)といえば「味いちもんめ」

かなり昔の話ですが、いまだに中居くんのイメージは味いちもんめの伊橋くんです。

パソコン使えるとスゴイ人

まじで機械に弱い人が多いので、Excelとかword、なんならスマホの使い方に詳しいとかなり重宝される。
※あまりにも使えると判断されると「わざわざこの仕事につかなくてもよかったんじゃない?」とか訳わからない嫌味(妬み)言われる

学歴結構気にしてる

学歴は関係ない世界だ!とかって言う割に、大学出てたら板前になった理由聞かれる。
「大学まで出てなんで板前?」って聞く人多い(ほっといてやれや)

隠語(専門用語)

  • まる→スッポン
  • 丸十(まるじゅう)→さつまいも
  • 投げる→捨てる
  • ふぐ→てっぽう
  • 料理長→おやじ、おやっさん(親指をたてる)
  • 女将さん→(薬指をたてる)
  • 坊主→お客さんゼロの日 (例:今日は店、坊主だった)
  • 当たる→こげる(例:鍋底が当たった)
  • 40歳以上の人になるとラディッシュのことを「られし」って言う人がいる

まとめ

3人の料理人が集まって、「この先料理業界はどうなっていくのかな」みたいな真面目な話をして、これから挑戦する世代に発信者として何か伝えられることはないかな?って話してたら脱線して、こんな形で飲食業界の現状を伝えることになりました。

さいごに

今回の対談で一緒にお話をさせて頂いたナウい料理人を紹介します。

まるじ

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22歳の頃にひょんなことから飲食業界へ。お好み焼き屋からはじまり、和食店、オイスターバー、イタリアン、カフェ、クラフトビール専門店など様々な店を渡り歩き、海外への店舗立ち上げなども経験。
現在は千葉県浜金谷にある田舎と都会をつなぐコワーキングスペース「まるも」にて田舎フリーランス養成講座の講師を担当。
フードロスの問題にwebでの発信を通じて解決策を模索。

Twitter→まるじ@食とお酒の地域フリーランス

blog→まるじ感。 – 島の出来事と僕の出来事

ゆうと

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小学生の頃に自宅で料理を作る楽しさを知り、地元群馬県の高校に進学後は1年生の頃から部活をせずに日本料理店でアルバイトとして和食の修行に励む。
高校卒業後は同店で修行に専念。
22歳となり修行先を退職。
現在は料理動画配信のベンチャー企業にて調理を担当

Twitter→ゆうと@高卒料理人フリーランス

blog→高卒料理人が物申す!調理師専門学校に行く必要なんかないよって話。 – 高卒なめんなよ!

ぼり(当ブログ著者)

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2016年7月末に東京都港区の料亭を退職。

現在は出張調理やオンラインの料理教室などに取り組む。
店を持たない料理人、発信力を持った料理人として、料理を通じて新らしい働き方を模索中。

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以上、ぼりでした!