ぼりの板前時代

おいしいだけじゃ務まらない。「ラーメン屋は脱サラの方が成功する」には訳がある

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初めまして、りょうちゃん@女の子大好きブロガーと申します。

普段は リア充になりたくて500万使っちゃった!というブログを運営しています。

女の子の次に好きなのはラーメンです!

今回は、飲食店関係における記事ということで自身の体験から思う、「ラーメン屋の経営について」のお話をお送りさせていただきます。

2年間ラーメン屋に勤めて見えたこと

まず、ぼくの飲食経験を話します。

ぼくは2年ラーメン屋さんの社員として働いていました。

飲食業は実際に大きく括られていますが、カフェ、居酒屋、料亭、ラーメンなど。

単価やお客様の滞在時間によって働き方が変わってきます。

ラーメン屋に向いているのは「数字に敏感な人」

飲食業の中でもとくに、ラーメン屋をするには数字に敏感な人が絶対に向いていると感じます。

数字に敏感な人、つまりはサラリーマン上がりの人には成功者が多いのがラーメン業界です。

よく多いキャッチコピーは「脱サラしてラーメン屋を始めます!」という広告。これはあながち、ウソではありません。

サラリーマン経験がある人だからこそできることがたくさんあるんです。

ラーメン屋は常に数字との戦い

時間ごとに売り上げ計算をしないといけないのがラーメン屋の定めです。

他の飲食業界は僕は詳しく分かりませんが、ラーメン屋では「1時間ごとの売り上げ計算」をしっかりします。

僕のいたラーメン屋では1日の売り上げ目標が20万でした。

この目標を達成するためにはどうすればいいかを考えねばいけません。

20万円売り上げる為の考え方

普通盛ラーメンが1杯700円でした。

そうなると、1日でざっくりと280杯は売らないといけません。

僕の勤めていたラーメン屋の席数は全部で14席。

1回の提供では14人にしかラーメンを食べさせることはできません。

お昼「回転を早くする」

これは主にランチタイムに意識していたこと。

ラーメン屋なので、多くのお客様はさっくりと食べて帰ります。

なので素早く片づけて、素早く提供をします。

大体3回転すれば700円×14カウンター×3回転で=1時間で29400円の売り上げになります。

ここから、トッピングなどもされれば3万円は超える。

ランチタイムは主に11時〜13時なのでこの売り上げならば、問題はありません。これでお昼の時間帯だけで9万円の売り上げを上げることが可能である計算になります。

夜「客単価を上げる」

お昼に9万円しか稼げていなくても問題がないというのはこの「客単価」が昼と夜で大きく変わってくるからです。

こちらの施策は地域性なども関わりますが、夜にラーメンを食べに来る人はラーメン一杯を食べに来る訳ではありません。

みなさんも感じることかもしれませんが、お昼に外食するのと夜に外食するのでは、かけるお金も時間も違いますよね。

それはラーメン屋も一緒です。

ラーメン、餃子、ビールを頼んだ場合は

  • ラーメン700円
  • 餃子300円
  • ビール400円

1400円のお客様一人の単価になります。ランチタイムの2倍の売り上げです。

昼に比べて、夜はお客さんの滞在時間も長いですが、ラーメン1杯食べて帰るという考え方ではないので、お昼がメインと思われがちなラーメン屋ですが、客単価の低いお昼の時間帯よりも夜の時間帯の方が稼ぎ易いのも間違いありません。

18時からは平均で一時間ごとに売り上げが1.5万円でした。

しかし、夜にもピークがあり、23時~25時は飲み会帰りのお客さまが多いので2時間で売り上げは大体6万円は出ます。

18時から閉店まででは大体、10万〜15万はいきます。 実は夜中のほうが売り上げはいいんです。

もちろんこんな単純なだけではないのですが、ざっくりとこういう計算をまずできることは必須となります。

発注ミスは命取り

ラーメン屋も含めて多くの飲食業での基本かもしれませんが重要なのは「ロス」をしないことです。

つまり、無駄な発注をしない!または、発注をし忘れて食材がないということを防ぐこと。

これは当然のことでありながら意外と難しいです。

食材発注は料理を作るという工程しか分からない人は苦手にしている人が多い印象でした。

それに比べ、割と異業種転職の人は発注ミスなく利益を上げることができていました。

料理以外の面での経験が大きく役に立つ部分です。

ラーメン屋ってめっちゃ大変

これをみて居たら「誰にでもできるじゃん??」と思われるような感じで書いてしまいましたが、ぼくは現在、社員としては辞めてしまいバイトとして副業でラーメン屋さんで働いています。

ラーメン屋の仕事自体が大変だったので正社員を辞めました。

ぼくが正社員でいることを辞めた理由は2つあります。

バタバタと忙しいことお祭りのごとし

先ほども記述しましたが、回転数を上げることがかなり重要になってくるので、けっこう作業スピードを求められます。

ホール作業の人も、オーダーを聞いて、ラーメンが出来上がったら提供。常に周りを見渡しています。

お客様によっては荷物置きをお渡ししたり、商品や注文方法の説明をしたりもします。

さらに、大人数のお客様には「席はバラバラになっちゃってもいいですか?」という対応もします。それでも会計が一緒だったりするとややこしいことになるのですが、そんなことは言っていられません。

求められるスキルが多い

アルバイトでもなかなか定着率が低いのが一番の問題点です。

上記したように、どれだけ忙しくても、お客さん一人一人、ラーメン一杯一杯、丁寧にスピード感を持って仕事をしないといけません。

現在は多くの人がスマホでお店のラーメンを写真に撮ります。

食べログなどに投稿されることもあるので、盛り付けが雑だと、それだけでお店の評判に関わります。

仮に10枚の写真が掲載されていて、その中の1枚の写真だけが盛り付けが雑に写っていても、やっぱりそっちに目が行ってしまいますよね?

スープが冷めてもダメなので盛り付けのスピードも大事です。一杯ごとに違うトッピングをいかに正確に、間違えずに盛り付けることを継続できるのか。

※ぼくのお店では盛り付けスピードは原則5秒でした。

この2つは常に求められ続ける事であり、ぼくはこれをずっと定職としてこなしていくことに、性格的にも体力的にも難しいと判断したので、正社員であるとこはやめました。

ラーメン屋は脱サラの方が成功する理由

こうして書いてきたことをまとめさせていただきます。

ラーメン屋を開業するのに大切なこと

原価計算、仕入れの目測、回転率など、ただ腕を組んで立っている店主ばかりのイメージがまだまだありますが、そんなことをしていたのではお店はまわりません。

人気店だったのに3ヶ月で潰れたというお店も、ぼくは実際に目にしてきました。

それくらい、しっかりとした収支の計算能力を持っている人でないとラーメン屋の営業は難しいです。

逆に、これまで料理に特化してきた人ではなく、サラリーマン経験などで、経理上の仕事を理解している人は向いているといえます。

体力的、スピード感、忙しくても全体に目を配る余裕を持てる人であれば一度考えてみてもいいかもしれません。

さいごに

色々書きましたが、一言。

ラーメン屋をやってて良かった!

ぼくは現在、34歳でフリーランスで生きようとしています。

でも、いきなりフリーランスは難しいなと思いラーメン屋で副業としてアルバイトしてます。

正直、30代で飲食店でアルバイトは雇ってくれないことが多いです。

理由は扱いづらそうとかいろいろあると思います。

でも、ぼくはラーメンのスープが作れる。麺あげができる。

ラーメン屋としての職を手に持っているからこそ、アルバイト3人分は働いてくれるという評価を今のラーメン屋でもらっています。

生きて行く為に、この「腕」は大きな財産となってくれました。

手に職をつけること、数字の計算に興味があるひとは一度ラーメン屋さんで働いてみるのも面白いかもしれません!!

りょうちゃんでした!