ぼりの備忘録

突き詰めることを迷わない人生と視野を広げてから絞っていく人生

こんにちは。石川県出身で大阪・名古屋・東京での生活を6年送り、現在は千葉県の南房総にある「浜金谷」というなかなかの田舎に地方移住した「ぼり」です。

先日、無音の田舎道を歩いているときに、ふと思いついてこんなことをつぶやきました。

都会での生活で、選びきれないほどの選択肢を目にしました。

  • 「こんなのあんのか」っていうような仕事の種類
  • 色んな生き方を体現している人(頭ふっとんでるんじゃないかって人が当たり前のようにいる)
  • 誘惑の数(遊びの誘いとか飲食店とかね、ほんと無数)
  • 怪しいビジネス(これもめっちゃ多い)

これ、地方に移住したら見事に全てなくなりました。

選択肢を広げることで迷うことが増えるけど、知ることで幅が広がり、自分の進みたい道を見つけることもできる。

ぼくはそう思っています。

都会での生活は楽しかったし、刺激的だったけど、器用じゃない自分にとっては選択肢が多すぎた。

ただ、今回この記事に書きたいのは「だからみんな地方移住しようぜ!」って話じゃないです。

住むこと、働くことにおいて、20代という10年間の生活の中で得た「生き方」についての気づきを書き起こします。

「住」「職」において選択肢を広げることを選んだ

f:id:boriesy:20170907193942j:plain 地元であった石川県には20年以上住んでいました。今も大好きな土地です。

市内の工業高校を卒業し、近所の工場に就職して1年ほど経った頃、ふとこんなことを思ったんです。

この土地しか知らないまま「地元最高!」とは言いたくない。

めっちゃ楽しかったので、石川県に住んでいることに不満はありませんでした。

でも、地元を離れたことがないのに「うちの地元が一番最高!」っていうのにはなんだか違和感があった。

その後、料理人になるという目標のもと、割烹料理屋さんに勤めることにしました。

食に魅力のある石川県をわざわざ離れる必要はありませんでしたが、大阪へ修行に行くことに。

そこではじめて「地元以外の土地に住む」という体験をします。

大阪という土地には観光で行ったことはあったけど「住む」という感覚では見ていなかった。

どこもかしこも賑やかなのかといえばもちろんそうではないし、観光地だと思っていた大阪という土地は以外にも住みやすい土地でした。

地元から離れたことで、地元以外の魅力を知り「でも、やっぱり地元のほうが落ち着くな〜」とかって、改めて石川県の良さを感じたりもしました。

これが「住む」ということにおいて、最初に選択肢を広げた経験です。

また、ぼくは「住」以外に「職」も転々としています。

工場、運送会社、板前を経て、今は自分の名前を肩書きとするような仕事をしています。

色んな職業を体験することで「仕事」自体に実は共通点があることや、全く知らなかった世界に触れることができたので、この働き方になっていることに後悔はありません。

でも、はじめて務めた地元の工場を辞めるときに、人事担当の方から言われた言葉は今もはっきりと覚えています。

たったひとつのことを突き詰める人生を失った

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昔からずっと同じ職業を続けている人はめちゃくちゃかっこいいと思っています。

もちろん、ただただ好きで没頭し続けている訳ではなく、辛いときや辞めたくなるときも多々あったと思います。

それでも、ずっと続けた。

突き詰め続けた人にはきっと、その人にしか見えない世界が見えている。

そして、ぼくにはもうその景色は見えない。

そう考えるとたまに選ばなかった選択肢を思い返してゾッとします。

だけど、視野を広げる人生を選んだからこそ見えたもの、得られたものは山ほどありました。

視野を広げてから絞っていく人生

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今、ぼくは住むことにおいて必要最低限の物と環境が揃っている場所で、日々目の前にいる人と深く接する仕事をしています。

「住」を転々とすることで、自分の好きな土地を改めて見直すことができた。

「職」を転々とすることで、自分に向いている職業と向き合うことができた。

この10年間で少しずつ、目の前にいる人を大切にしながら、日々の生活を過ごせるようになってきました。

選択肢を広げたことで迷いは増えたし時間もかかっているけど、自分にとって大切なものがどんどんとクリアになっていきてます。

過去の選択を誇れるように

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一つのことを突き詰めれば、周りを見る「視野」は選択肢を広げた人よりは狭まるし、選択肢を広げれば、ひとつのことを突き詰めた人の視点を得ることはできません。

「選ぶ」とはなにかを「選ばない」とイコール。

選ばなかったものはもう手にいれられない。

どれだけ迷ってもいいから、大切なのは自分の心で決めること。

そして、何を選択をするにせよ、大切なのは選んだ後の行動だと思っています。

選ばなかったものはもう二度と選べないから、せめて選ばなかったことを後悔するのではなく、誇れるように過ごす。

この先もどれだけ迷ってもいいから、少しづつクリアになっていく自分の目的を大切にしていきたい。