こんにちは、板前の「ぼり」です!
色んな言い方はあるけれど、技術職の世界で頻繁に使われる「嫌ならやめてしまえ」の言葉について、少し考えることがあったので、ここに書き起こします。
「嫌ならやめてしまえ」という強い言葉
まずそれなりに強いこの言葉がどういう人に対して使われるのか。
- 嫌々仕事に取り組んでいる
- 責任感がない
- 向上心がない
- 成長が見受けられない
こんなところではないでしょうか。
単純に一言にまとめてしまうと周りから見て「やる気が感じられない」というところにまとめられると思います。
なぜわざと強い言葉を投げかけるのか
もちろん、やさしさを含めて辛辣な事を言っている事も多々あります。
ですがハッキリといってしまえば「邪魔だから」です。
技術職というのはジャンル問わず競争社会です。
その中で仮に嫌々続けていけばペースはゆっくりでも必ず成長はしていきます。
ただしどんなに意識が低い人でも年数がたてばやがて「先輩」と呼ばれる存在になります。
というか、ならなくてはなりません。
そして技術職は常に「イス取りゲーム」です。
板前でいうなら「見習い」という雑用期間で基本的な流れを学んだ後は、担当やポジションを与えられ、1人1人が責任を負いながら業務にあたります。
その中で後輩ができた事でエスカレーター式にやる気のない人間が昇進してしまうとやる気のある後輩が座りたいイスに向上心のない先輩が居座る事になります。
こうなるとその先輩は仮に年齢が若くとも「老害」にあたります。
いつまでもステップである場所に「老害」が居座るとそこから先の見えないやる気のある人間が嫌になって消えていってしまう。
だからこそ「嫌(やる気がない)ならやめてしまえ」は存在します。
嫌ならやめてしまえに込めたやさしさ
ではなぜやさしさを込めて言っていると言ったのか。
それは「あくまで仕事は競争社会だけではないから」です。
ぼくは仕事には「農耕的なもの」と「狩猟的なもの」があると思っています。
技術職はわかりやすく狩猟的なもので「姿勢」と「結果」が求められます。
そしてもうひとつが農耕的なもの。
こちらは無理にシノギを削って磨耗する必要はないような仕事を指します。
漢字の通り農業や思いつくところでは図書館の受付とかかな?数字を争い合う必要のない仕事の事を僕はこう呼んでいます。
ここでひとつ言っておきたいのはあくまで農耕的な仕事を否定していない。という事
ぼく自身は毎日張り合うような気持ちで仕事に取り組んでいく事がとても気持ちいい。
だからといって他人にまでこの感情を押し付けるつもりはありません。
人それぞれ心地いいと感じる事は違うので「競争」を好まない人も多くいるでしょう。
だからこそ自分の性格に合った世界観の中で過ごさないと心は疲弊します。
競争社会において、競争を好まない人はそもそも無理してその場に居なくてはいけない理由なんてないので「とにかく我慢して続けよう!」というのは束縛なので、やさしい言葉だとは思えません。
あえてキツイ言葉を選ぶ理由
それでも「嫌ならやめてしまえ」って言葉ってやっぱり強烈ですよね?
もっとやさしい言い方あるんじゃないか
と言ってくる人もたまにいますがわからなくもありません。
ただし僕はこの言葉をあえて使っています。
それは人に言われて諦められる程度の夢はその先も続かないからです。
人は何かから逃れようとすると「言い訳」をさも「理由」のように話します。
ですが、そもそも逃げる事自体は悪い事ではありません。
自分の心や体の健康を害してまでその仕事を続ける価値などないと思うので。
その上で「諦められる程度」の夢であればむしろさっさと見切りをつけて、改めて「もっと熱くなれる夢」を探すために動き出したほうが将来的に幸せになれるのではないかと僕は思っているので、あえて強めにこの言葉を投げかけるようにしています。
「嫌ならやめてもいい」は凶器であり救いだ
きつくまとめるならば、言葉通り嫌々取り組まれるのは迷惑で周りの士気も下がるから去ってくれとなる。
やさしさの面でまとめると同じ時間を費やすのなら向き合って取り組んだほうがいいじゃない!とか無理して続ける必要はないから、向いていないと感じるなら
現状を考え直すいい機会かもしれないね。みたいに伝える事もできます。
どちらの意味にしてもあくまでそれはモチベーションが低い人に対しての自問自答を促す言葉だと思っています。
だからこそ、この言葉を投げかけられた時は試しに自分を見つめ直す事はいい機会なのかもしれません。
普通に生活していれば人生の3分の2もの時間を費やすといわれている「仕事」
それだけの自分の人生の大切な時間を費やす事にはしっかりと向き合って考える事はすごく大切な事です。
だからこそこれからも「嫌ならやめてしまえ」という言葉は常に投げかけ続けるつもりでいるし、それに対して後輩や関わる人が出した答えについては 投げかけるからにはとことん向き合って話を聞きたい。
その中で一人でも多くの人が自分のしている仕事に誇りを持ち、好きな仕事と出会ってもらえればと思ってこれからも投げかけ続けます。自分自身に対しても。
以上、ぼりでした!