こんにちは、「店を持たない板前」のぼりです。
現在、ぼくと同じくお店を持たずに陶芸作家の道を歩んでいるユキガオさんと共に「見て、触れて、食べてもらえる作品展を開催したい!」というコンセプトで、クラウドファンディングに挑戦しています。
【店を持たない板前×陶芸作家】見て・触れて・食べてもらえる作品展を開催したい! – CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
3月1日21時に開始したこのプロジェクトは開始から3時間半、24時30分の時点で目標金額であった20万円を達成致しました。
残す所あと6日、123名の方から57万円を超える支援を頂いております。目標金額に対しての達成率は300%目前。
本当に、本当にありがとうございます。
この1ヶ月間、夜中に目が覚めてもプロジェクトページを見てしまうような気の抜けない日々を送ってきました。
というか、プロジェクトが開始する前は成功するかどうかの不安に駆られたし、プロジェクトが始まってからは、ずっと「もう早く終わってほしい」と思ってます。
正直、今も同じ気持ちです。
去年、ハイパーリバ邸設立のためのクラウドファンディングに挑戦したとき「もう2度とやりたくない」と思った。
クラファンはそれくらい緊張するしプレッシャーも感じる。
それも踏まえて今回2度目の挑戦。
案の定この緊張感はキツイ。全く慣れない。
でも、だからこそ意味があると思ってる。— ぼりさん (@borilog) 2017年3月25日
このプロジェクトと合わせて2回の挑戦を経て、ぼくが感じた「クラウドファンディング」の本質について書かせて頂きます。
もくじ
クラウドファンディングは絶対に、ただの「資金集めの便利なツール」ではない
タイトルにも書かせて頂いた通り、クラウドファンディングはまかり間違っても絶対に、ただのお金集めの為のツールではありません。
クラウドファンディングを利用してプロジェクトをはじめる人には多種多様の目的があります。
- 新製品を出したいけど、開発資金が足りない
- 地元の名産品を全国の方に知ってもらう為にお届けしたい
- 何かの為になる施設を作りたい
- 個展開催をしたいけど、集客できるかわからないので場所が借りられない
ここで、日本政策金融公庫にお金を借りる、広告を打つ、イベントを開催する、などなど、色んな手段がある中のひとつとして「クラウドファンディング」を利用することが考えられます。
「インターネット」は、発信をすることで、これまで知られないがために埋もれてきた、情報、人、もの、を見つけることができるようにしてくれました。
そしてインターネットを介すクラウドファンディングが登場したことで、事業計画としては提出しにくく、一個人とその周りにいる人に投げかけても、なかなか達成できないプロジェクトであっても、世界中にいる人たちに「こんなことしたいんです!」って投げかけることができるようになりました。
ただし、当然ながらなんでもかんでも成功するわけではありません。
「実」のないものは成功しないし、むしろ自分達の実現したいことを伝えるのは、圧倒的に直接目の前にいる一人に対するほうが気持ちは伝わりやすいです。
修業先の料亭を退職する時、社長に言われた一言
ぼくは昨年の夏、勤めていた都内の料亭を退職しました。
第1回目の挑戦となった、「ハイパーリバ邸」を設立する為のクラウドファンディングを開始する時です。
ぼくは社長のことを今でもすごく尊敬しているので、退職の相談をする際、社長にもクラウドファンディングに挑戦することをお伝えしました。
普段は社長の言うことに一切の口答えをすることはないぼくでしたが、その時社長から返ってきた言葉には全力で抵抗しました。
「クラウドファンディングなんてカッコいい横文字に聞こえるかもしれないけど、結局人からお金を集めるってだけで、それは借金をしているのと変わらないからね?」
これは、ぼくの中では半分正解で半分間違っていると思っています。
間違いないのは前半の、「クラウドファンディングなんてカッコいい横文字に聞こえるかもしれないけど、結局人からお金を集める」の部分。
これは本当に間違いのない事実であると実感しています。
そして後ろ半分は完全にぼくと社長では認識が違います。
クラウドファンディングは借金でもなければ前借りでもありません。
ぼくが考えるクラウドファンディングの本質。それは、お金を支援していただくことの先にある、支援者の方とプロジェクトを行う人間との関係の構築や自分たちの活動を今後も見てくださる人を多く募るためのサービスがクラウドファンディングであるという認識です。
関わった全てのクラファンを成功させた一人の女性が言った決定的な一言
ぼくは、今回のクラウドファンディングに挑戦する前に、ある女性とコンタクトを取り、新宿の喫茶店でお話を伺ってきました。
その女性は沢木さんという方で、クラウドファンディングに挑戦する方へのアドバイスを行なっている方。
これまで関わってきたクラウドファンディングは絶対に成功したというとんでもない経歴を持った方です。
(余談にはなりますが、この待ち合わせ場所にバイクで向かうときに、新宿アルタ前で盛大にコケました。バイクは破損、ぼくは無傷でした。)
さっき普通にバイクで事故りました。
事故ったというか勝手にコケただけだったんだけど、「あ、死ぬ」ってまじで思ったし、数秒後に「生きててよかった」って思った。
無事だったのもたまたまで、ほんと人って一瞬で死ぬんだなって思った。
怖かった。— ぼりさん (@borilog) 2017年2月14日
沢木さんに、下書き状態だったぼくたちのプロジェクトに目を通してもらい、ちょろちょろとアドバイスを頂いた上で、「クラウドファンディングで達成するプロジェクトと達成しないプロジェクトには決定的な違いがある」ということを教えてもらいました。
「お金と向き合っていないプロジェクトは失敗する」
これが沢木さんの一言です。
失敗する多くのプロジェクトに共通するのが、「応援してください!」とかって言葉を濁して、支援者の方から「お金を支払っていただく」ということに向き合っていないという事。
例えインターネットを介していようが、やっていることは一個人の方からお金を出して頂くということには変わりはありません。
その「お金を出してください」という、口に出しづらいことをちゃんと伝えられているかどうかが重要な鍵になっている。
クラウドファンディングを、ただのお金集めの便利なツールだとか、まるで夢のようなサービスだと思っている人に共通するのは、この部分の認識の欠如だと思っています。
目の前の一人に「お金を出してください」と言えないような人が、更に熱の伝わりにくい「インターネット」で「文章」を介して「応援してください」なんて濁した言葉で言ったって何も伝わりません。当然のこと。
なので、このプロジェクトが始まった時点で、現実の場でも貯金箱を持ち歩き、支援を募りました。
目の前の一人にもちゃんとお願いできるように。
姿勢を見ていただくために。
素直に「お金を出してください」と書いた結果
このプロジェクトの本文には一番最初と最後に「お金」についてしっかりと書いてあります。
ぼく自身、やっぱり「お金ください!」なんて簡単に口にはできません。でも、このクラウドファンディングに挑戦すると決めたときから覚悟は決まっていたので、あえて最初と最後にしっかりと書かせて頂きました。「お金が必要です」と。
そしてプロジェクトがスタート。支援して頂いた方には一人一人に向けてお礼のメッセージを送らせて頂いています。
その返信の中で頂いた、本当に嬉しかったお言葉を本名を伏せてご紹介させてください。
このお言葉を頂けたことが本当に嬉しかった。
これは少なくとも「お金」に向き合えていなかったら起こらない結果だと思っていますし、正直プロジェクトの内容どうこうではなく、ぼくとユキガオさんの「覚悟」に対して頂いた支援だと思っています。
ぼくたちがこのプロジェクトを通して達成したいことは、お金がかかることで言えば「レンタルスペースを借りて展示会を開催するための費用の支援を募ること」です。
そしてお金とは別の部分では、ぼくたちの活動を知ってもらって、「一人でも多くの方から応援して頂けるような人」になることです。
なので、当然ながらこのプロジェクトもただのお金集めなんて思っていません。
ぼくたちの「実現したい生き方」を応援してくださる方を一人でも多く募る為に挑戦しています。
さいごに
このプロジェクトも残すところあと半月。必ず突き抜けたいし、何よりもっともっと多くの方に、ぼくとユキガオさんの活動を知って頂きたいです。
このプロジェクトの本文には冒頭に書いたような「不安」も入り混じりながら、2人で見直しながら、そして知人に読んでもらい、何度も編集を加えてきてようやく完成しました。
もしまだご覧になった方がいらっしゃなければ、一度だけ目を通していただきたいです。ぼくたちがどれだけ本気でこのプロジェクトに臨んだのかを。
残すところあと6日。いよいよ大詰めです。
引き続きのご支援と拡散の協力、どうかよろしくお願い致します。
以上、ぼりでした!